涼やかな虫の声が、夜を彩る季節になりました。
日中は汗ばむこともありますが、日が暮れたあとには
何か羽織って楽しめるようになったのは
汗っかきで夏が苦手な僕には嬉しい季節です。
Vintageのアトリエコートといえば、欧州系の古着の代表格で、
アメリカの古着とはまた違ったごま塩(Salt&Pepper)の生地の奥深さや
凝ったディティールが醸し出す繊細な表情が
自動的に着る人を「おしゃれ」に見せてくれるすぐれもの。
なーんて甘い事は今の世の中無いわけで、
やはり大事な事は「どう着るか」というところです。
こういう風に素朴な風合いの生地のシャツに
パンツをサスペンダーで吊って、ストール巻いて。
マレの#Brut-Clothing辺りにいそうなパリジャンを気取るような、
王道の組み合わせですが、フランス生まれはコートだけ。
バラバラの出自、年代のものがうまくまとまって見えるのは、
コートの正体不明さのおかげかと。
Coat = 40’s Vintage ALTERATION French Chore Work Worker Duster Coat [ALTERATION By Manure Of Drawers]
Shirt = Roundabout Shirt [STANDARD by Manure Of Drawers ]
Pant = 40’s Euro Vintage
Suspenders =70’s British Vintage
Stole = #Faliero Sarti
と、いうところでひっくり返すとこうなります。
「寒くなる季節なのにオフホワイト?」って思った皆さん、
確かに季節の気分を濃厚に楽しみたい秋口は、黒っぽかったり、
グレーだったり、茶色やオリーブ、マホガニーなんてところの
オータムカラーやダークカラーで気分を盛り上げたいのはそのとおり。
でもね、そのうち飽きるでしょ?
暗っぽい色の毎日の気分を変えたくなる日もきっとあるはず。
そして春にも役立つすぐれもの。
Shirt = sample
Pant = 40’s French Vintage
Gilet = 90’s Private made
Stole = #egg London
そしてVintegeと親和性の高いナチュラルで古っぽい物ばかりで
組み立てた、いかにもなコーディネイトにも飽きるはず。
だから、大胆なストライプの比翼仕立てのミニマルモダンなシャツも
しっかりと受け止めるキャパの広さは必需品。
ま、このシャツもかなり古いものではあるけれど。
ベージュ~生成り~グレーの抑えた色目のさわやかな組み合わせも、
袖口や前端にのぞくごま塩が、良い塩梅のアクセントになって締まって見えます。 ずいぶん昔のVintageのパンツと、#L.U.C.のニットっていう、
合いそうもない極端なアイテムを、コートの得体のしれなさが繋いだ組み合わせ。
ライナー側のモザイク切り剥ぎや肘の穴が、さらに?を誘います。
Shirt =Stand collar Stitch-out Shirt [STANDARD by Manure Of Drawers ]
Pant =30’s French Vintage
Knit =LabelUnderConstraction
黒っぽく合わせても、ライナーの端々のほつれやコントラストが
「なんか違う」を作るはず。
普通のVintageのアトリエコートや#yarmoのごま塩コートだったら、
もっと、どんより重いはず。
まだ、こんな風にニットを着てストール巻いてとまでは
行きませんが、そんな気分ももうすぐです。
Pants =hlam
Knit = #John Smedley
新しいのも古いのも、黒いのも白いのも、トラディショナルもモードも
全部ひっくるめて飲み込んで、どれにも染まらず、どれにも浮かない。
表裏一体の二面性を持った服。