1950-1960 Vintage ALTERATION Tailor-Made Herringbone Jacket
1950年代にイギリス、スコットランドで仕立てられた
テーラーメードのヘリンボーンジャケットです。
イギリスでヘリンボーンというと当然ながらツイードのイメージで、
少し厚めでしっかりした硬めの生地を思い浮かべるかと思いますが、
このジャケットはイタリアの生地との事で軽く柔らかな風合いの、
ふくよかな表情を持っています。
しかし羊毛の名産地でハリスツイードの本場のスコットランドに住みながら
60年以上も前に、わざわざイタリアの生地を使ってジャケットを
仕立てたというこのジャケットの仕立て主は
かなり粋でへそ曲がりな人物だったんだと思います。
濃淡明暗様々なブラウンが入り混じった色合いの生地は
英国ツイードの質実剛健で素朴な風合いの生地とはまた違った趣で
ツイードのように紡毛で織られた生地では無く、
太めの梳毛を使った生地を起毛した物です。
洗毛、スライバー、精紡、織布、整理。
複雑な工程の数々を経るためには、今よりもずっと多くの時間と人の手を
かける必要があった時代。
機械の精度も現代ほどではなかった頃の今では再現など到底不可能な
テクスチャーが見事です。
さらに独特な表情を見せるのは、このジャケットにかけられた洗い加工による
部分的なフェルト化によるものです。
袖が少しのねじれていたり、ポケットがたわんだ形になっていたり
各所の生地に不規則に発生したシュリンクが、デザインやパターンでは
生み出せない計算外の味わいを作り上げています。
高めのゴージの3つボタンジャケット。
中1つかけでレギュラーでも、上1つかけでクラシックに着こなしても良いですね。
衿を立てて留められるように、フラワーホールはボタンをかけられるようにされていたり
深く長いサイドスリットの作りなどを見ると、乗馬用のライディングジャケットとして
仕立てように思えるのも面白いところです。
ボタンはランダムに選んだヴィンテージのバッファローホーンボタンを、
アンティーク布のくるみボタンのちからボタンでとめています。
繕いを魅せるダーニングは、経てきた時間が作るアートです。
要所要所に見られる手のまつり縫い、かがり縫い。
現代では再現不可能な貴重な1着を、ただ「希少で貴重で古いもの」という点だけが
魅力の1着という事で終わらせるのでは無く、
ヴィンテージの持つ輝きを、現代的な着装や感覚と融合させ
「古くて新しく、新しいけど古い」ものとして昇華させた一着です。
サイズ 1(S相当 )
肩幅 =40cm
バスト=50cm(脇下)
袖丈 =59 cm
着丈 =69cm
イギリス/日本製
表地 ヘリンボーン ウール100%
ライナー ラスティックコットン コットン100%
ボタン バッファローホーンボタン(デッドストック・ランダムチョイス)
アンティークファブリックの包みボタン
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1950-1960 Vintage ALTERATION Tailor-Made Herringbone Jacket
[ALTERATION By Manure of Drawers] SOLD