1940-1950 Vintage ALTERATION Scottish Wool Tweed Sports Coat Blazer Jacket
ドネガルやシェットランドといった様々な産地の中でも、イギリスのツイードを代表するツイード発祥の地、スコットランドで織られた生地。
オールドウールらしい少し厚めのしっかりした生地の、ふくよかな表情を持った自然で素朴な風合いながらも、タイトなフィット感と現代的なバランスを持ったジャケットです。
毛足の長い羊毛を梳き集めて撚られた、しなやかでやわらかな梳毛(ウーステッド)と対極的な風合いが持ち味の、粗野で短い羊毛繊維を主体とした紡毛(ウールン)で作られるツイード。
スコットランドのツイードと言えばアウターヘブリディーズ諸島で織られるハリスツイードが有名ですが、この生地はそれに全く劣りません。
普通は取り除く死毛(ケンプ=羊の毛の一番外側に残る枯死した羊毛。太く柔軟 性が無いため紡績や染色には適さない) をあえて含ませ、普通は紡績の段階で行う脱脂(油を抜く)も、あえて行わずに未脱脂状態のまま紡績した荒々しさを残す風合い。
織られた生地に残っていた原毛に含まれる油分が、時間の経過と共に抜け変化した少しパサついた触感は、ヴィンテージのツイードだけが持ち、時間を経なければ手に入らない物です。
手紡ぎに近い方法で糸を紡ぎ、通常(150cm)より幅の狭い(90cm)の織機で織り上げた、しっかりした生地は、今では望み得ないヴィンテージツイードの本来の姿です。
英国の暗く厳しい自然に溶け込み、対峙するために生まれたものであることを示す深い色合い。
枯れたグリーンを基調とした複雑で様々な色が混ざり合った糸で、織り上げられたツイードと同じくスコットランド発祥のグレナカート(グレン)チェックが歴史を語ります。
小ぶりなラペルはこの頃のものとしては珍しい細さで、少し高めのゴージの上2つかけがレギュラーでしょうか。衿を立てて、止められるようにノッチに作ったホールで上1つかけでスマートに着こなしても良さそうです。
前身頃のヘムに丸みを加え、肩のフォルムを調整し、コバのステッチを全て解いて、ヘムにふくよかな柔らかさを持たせ、ラスティックコットンのライナーを全て手でまつり付けて空気を含むふくよかな表情にALTERATIONしたジャケットです。
手仕事だからこその変則仕様のベントや切羽は、手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。
袖は幅を調整するとともにに切羽を作り、着こなしの変化の楽しさが何倍にも広がる表情を加えました。
元からあったボタンホールも糸を解き、かがり直したハンドホールです。キュプラのライニングと取り替えた、ラスティックなコットンブロードは、適度な張りとシワ感が有り、インドで織られた素朴な糸の表情が魅力です。手でまつりつけたライナーの生地感と色のコントラストと清潔感。柔らかな縫い皺は、手仕事ゆえのふくよかさ。
持ち主の残滓や埃が残りがちなポケットの袋布は全て作り直し、フラップ裏も取り替えたポケット。
チェンジポケットのように縫いつけられたフラップも良いアクセントです。
あえて縮率の違う裏地を縫い付けてから洗って縮ませる事で生まれる、計算された計算外の「しわ」と「たるみ」と「つり」が作り出す崩したフォルムの作る、普通だけど普通じゃないシルエット。
このような貴重なヴィンテージに出会い、サイズが合っても、そのままでは大きな肩パッドがついていたり、芯がカッチリしすぎていたり、袖が太すぎたり着丈が長すぎたりと、今の気分に合う事は難しいもの。
現代では再現不可能なものを、ただ「希少で貴重で古いもの」という魅力だけではなく、ヴィンテージの持つものを、現代的な着装や感覚と融合させた、流行りじゃないから廃れる事の無い、古いけれども古びない1着です。
サイズ 1(44-小さめ46相当 )
肩幅 =40cm
バスト=49cm(脇下)
袖丈 =61 cm
着丈 =69cm
英国/日本製
表地 スコティッシュツイード ウール100%
ライナー ラスティックコットン コットン100%
ボタン バッファローホーンボタン(ランダムチョイス)
アンティークファブリックの包みボタン
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1940-1950 Vintage ALTERATION Scottish Wool Tweed Sports Coat Blazer Jacket
[ALTERATION By Manure of Drawers] SOLD