British Vintage Navy Color Pin-Stripe Jacket Tailor-made in1947
英国紳士のイメージを形にしたようなネイビーピンストライプのジャケット。
軽い起毛も手触りも上質で柔らかなサキソニーのピンストライプ。発祥の地のドイツの地名が語源のサキソニーは、紡毛糸(ウールン)で織り上げられるフランネルと違って、梳毛糸(ウーステッド)で織り上げた生地に起毛をかけたもの。このジャケットが仕立てられた70年前には、紡毛の何倍も糸作り(紡績)に手がかかり、柔らかな風合いと上質な光沢を持つサキソニーは、フランネルより上質な生地として位置付けられていました。しかし今ではその分類は生地メーカーでさえも曖昧になり、紡毛のサキソニーや梳毛のフランネルが作られるほどに混沌としたものになってしまいました。
高めのゴージでタイトなVゾーン回りは、今にもフィットするバランスです。広めの美しく立ち上がるラペルは、立てた姿も様になるフォルム。上質な生地と英国のビスポークテーラーとオーナーのセンスは70年経っても衰えていません。
ウエストにゆるやかなシェイプを効かせた、スマートでコンパクトなフィット感は貴重です。丸みを帯びたシェイプに変更したヘムのラインはクラシックな表情を醸します。
各所に残る小さなダメージのパッチ、ダーニング、穴かがり、刺し子を、現代的な感性で楽しんでもらいたいと思います。
1947年の日付と仕立て主の名前が記されたラベル。仕立てたテイラーの屋号なのかイニシャルなのか、MWのパッチが縫い付けられていました。初夏に差し掛かる頃の5月3日に出来上がったものというのは、この頃でもまだまだ寒い英国でもかなり北部のオーナーだったのでしょうか。
長い年月の作った風合いは、加工や技術の発達した今でも、新しく作られた物には持つ事の叶わないものです。
高めのゴージラインは、現代にも通じるとてもモダンなシェイプを感じさせます。
丸みを加えたヘムのクラシックなライン。
ポケットの袋布も新たに作り直して取り替えています。Vintageにありがちなポケットの隅にこびりついた得体の知れない残り物・・流れた時間の贈り物とは呼べない物は、取り除くのが基本です。
コバのステッチを解く事で、端々衿や裾に空気を含んだ豊かな表情が生まれます。
フラップ裏やポケットにラスティックコットンを縫い付けて、コントラストと動きを加えた質感あふれる豊かな表情。
閉じられていた袖口は、変形の本切羽に作り変え。開けても折り返しても、現代的なニュアンスを醸し、着こなす楽しみを広げるポイントです。
フラワーホールを広げて、襟を立てて止められるように。
手仕事だからこその変則仕様のベントや切羽、手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。
キュプラのライニングと取り替えた、ラスティックなコットンブロードは、適度な張りとシワ感が有り、インドで織られた素朴な糸の表情が魅力です。
手でまつりつけたライナーの生地感と色のコントラストと清潔感。柔らかな縫い皺は、手仕事ゆえのふくよかさ。
流行やブランドや値段の多寡に惑わされない価値観を持った方々の、その人自身を魅せる衣です。
サイズ 2
肩幅 =44cm
バスト=52cm(脇下)
袖丈 =59 cm
着丈 =74cm
英国/日本
表地 ピンストライプサキソニー ウール100%
ライナー ラスティックコットン コットン100%
ボタン バッファローホーンボタン(ランダムチョイス)
アンティークファブリックカバーボタン
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British Vintage Navy Color Pin-Stripe Jacket Tailor-made in1947
[ALTERATION By Manure of Drawers] SOLD