新しいけど古いもの

新しいけど古いもの

French Paysanne Herringbone Tweed Coat

French  Paysanne  Herringbone Tweed Coat

 

 

1900-1910 French Countryside Tailored Paysanne  Herringbone Tweed Coat

 

 

 

素朴な風合いの生地と、たっぷりしたフォルムのオールツイードの魅力溢れるコートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テーラードカラーのコートの代表格である、英国のチェスターフィールドコートのキリッとした表情とは対照的な、牧歌的な面持ちは、パリやリヨンといった都会の洗練とはまた違ったフランスの奥深さと、農業大国の表情を教えてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

袖も肩も衿も背中も裏地も全て手縫いで仕上げられていました。持ち主の注文を仕立てたのは、仕立て屋さんだったのか、村の腕自慢だったのか。味のある生地と簡素な仕立ては、英国のかっちりとしたテーラーワークとはまた違った、素朴な良さに溢れています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ソフトなイセが入った肩から続く腕の曲線に沿って弧を描く、フランスらしい立体的な袖。ハギを増やした珍しい3枚袖は、仕立て主のこだわりでしょうか、発注主の遊びでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たっぷりとした身幅からさらに裾に向かって緩やかに広がるシルエットは、コンパクトな衿や肩とのバランスの対比がユニークな味わいを深めてくれます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立てた姿が様になる小さめの上衿の衿は、注文仕立ならではの絶妙なバランス感です。新たにボタンホールを作って取り付けた第1ボタンはマットなメタルボタン。土の中から掘りだされた金属の塊を叩いて扁平にしただけのようなボタンは、100年を優に超える泥がこびりつき、意外性のある良いアクセントになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュプラの裏地をイギリスが誇る防水防風素材のベンタイルに付け替えて、全体に張り感やボリューム感を与えるとともに、表地とのコントラストの面白さと、Vintegeにつきまとう不潔感を解消し、さらに風を通さず温かく清潔で明るくモダンな表情を与えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

擦り切れた袖口やポケットなどのパッチや、小さな繕いを魅せるダーニングは、経てきた時間の痕跡です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あえて縮率の違う生地を張り、その後の洗い加工によって不規則に発生するシュリンクに、デザインやパターンでは生み出せない計算された計算外の味わいが宿ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 フラップの裏もベンタイルに変更し、パッチポケットもラスティックな裏をつけて膨らみのある表情に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初期のベークライトボタン。技術の不安定さからの濁った色合いの表情が、かえって良い時間が流れています。裏にはアンティーク布のくるみボタンのちからボタンでとめています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現代では再現不可能な貴重な1着を、ただ「希少で貴重で古いもの」という点だけが魅力の1着という事で終わらせるのでは無く、「古くて新しく、新しいけど古い」ものとして昇華させた一着です。

 

 

サイズ 2(SからM相当 )

肩幅 =42cm

袖丈 =58cm (=裄丈80cm 相当)

バスト=57cm(脇下)  

着丈 =97cm

フランス/日本製

表地   ヘリンボーンツイード             ウール100% 

ライナー ベンタイルコットン          コットン100% 

ボタン  オリジナルのボタン&アンティークメタルボタン

     アンティークファブリック包みボタン

 

 

 

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1900-1910 French Countryside Tailored Paysanne  Herringbone Tweed Coat

[ALTERATION By Manure of Drawers SOLD