1910-1920 Antique French Wool/Linen/Cotton Pique Stripe Tailor-made Peaked Lapel Jacket
1900年代初頭のフランス生まれ。まだまだ機械化や技術の進歩が進みきってはいなかったこの頃、この一着を仕上げるまでにかかった時間と手間は、今とは比べ物になりません。ボタンホールや衿周り、その他随所に見られる手の仕事の美しいジャケットです。
時を経ても変わらない威風堂々な美しさを見る現代には再現しようもないヴィンテージならではの生地のテクスチャーが見事な一着です。生地作りも縫製も、技術が進化した現代では望むべくもなく再現もできないかつての職人たちの作り上げた得難い一着です。
この頃のテーラージャケットのスタイルは、力強いショルダーラインと大きめの身幅に、ワイドなトラウザーズを合わせる男性的なスタイルが主流でした。ほとんどは着る人に合わせて仕立てるものでした。
その中から現代にフィットする一着を見つける機会は、極めて稀な出来事です。フランスで1910年代に仕立てられたこの一着は、極めてモダンな部類に位置するとても貴重な一着です。
ウエストの一部分にシェイプを効かせた、このころならではの美意識が注がれながらも、とても貴重でコンパクトなフィット感。広くて美しく立ち上がるラペル。短めの丈と丸みを帯びたシェイプに変更したヘムのラインはクラシックな表情を醸します。
広く力強いピークドラペルが描くタイトなVゾーン。100年を超えても色褪せない風合いは、オーナーの暮らしぶりが窺える見事な保管状態の1着です。
生地は緯糸には黒色のウール、経糸にはコットン／リネンの混紡糸の黒色と茶色を使って織られたピケストライプ。リネン／コットンの張り感とドライなタッチとウールのふくよかさや柔らかなタッチを併せ持っています。
ピケの縦畝が走るブラックのベースに、ブラウンの経糸のストライプという現代のものと比べても遜色のないシックな色合いの生地。
短めの丈と丸みを帯びたシェイプに変更したヘムのエレガントなライン。
ここまで今のボディラインに寄り添ってくれるビスポークのバランスは滅多に出逢えません。動きやすさに配慮しながらも滑らかで立体的ななアームは、今こそ輝くモダニズムを発揮してくれます。
コバのステッチの無いヘムの衿や裾に空気を含んだ豊かな表情が生まれます。
フェルトが使われていた襟裏を除去して、100年以上前の黒色のアンティークリネンで作り変えました。襟を立てた時に見える細やかなステッチ。
100年間の時間を映す襟のダメージへのパッチとdarning。
袖や裾のすりきれには、インディゴリネンのパッチ。
裏地と表地の縮率差が生み出すしわ、たるみ、つりが作る計算された計算外の面白さが生きるシルエット。
フラップ裏やポケット袋布をラスティックコットンにとりかえて、コントラストと動きと清潔感のある豊かな表情。ポケットや服の内側に溜まった100年分の埃もきれいに取り除きます。
閉じられていた袖口は、変形の本切羽に作り変え。開けても折り返しても、現代的なニュアンスを醸し、着こなす楽しみを広げるポイントになりました。
ベントの無いボディに作ったサイドベント。手仕事だからこその変則仕様は、手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。
キュプラのライニングと取り替えた、ラスティックなコットンブロードは、適度な張りとシワ感が有り、インドで織られた素朴な糸の表情が魅力です。
流行やブランドや値段の多寡に惑わされない価値観を持った方々のその人自身を魅せる衣です。
サイズ 2
肩幅 ＝ 40cm
バスト＝ 52cm(脇下)
袖丈 ＝ 60cm
着丈 ＝ 73cm
フランス／日本
表地 = Wool/Linen/Cotton Pique Stripe
ライナー = Indian Rustic Cotton Broad Cloth / Cotton100%
ボタン =バッファローホーンボタン（ランダムチョイス）
アンティークファブリックカバーボタン
STOREへのリンク
1910-1920 Antique French Wool/Linen/Cotton Pique Stripe Tailor-made Peaked Lapel Jacket
[ALTERATION By Manure of Drawers] SOLD
