新しいけど古いもの

新しいけど古いもの

French 1940’s Vintage Indigo Dyed Linen Made Jacket

French 1940’s Vintage Indigo Dyed Linen Made Jacket

 

French 1940’s Vintage Indigo Dyed Linen Made Jacket

 

 

 

1940年代のインディゴリネンのBiaudeを解体した生地で作ったジャケットです。小ロットの枷染めで糸の芯までしっかり染められたインディゴの様々な変化が楽しい一着です。しっかりとした手触りと張りがありながら、柔らかさと軽さを併せ持つ、麻の良い部分だけを集約したかのような昔の生地特有の素朴な趣きを残す風合いを持っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Biaudeは19世紀から20世紀中期ぐらいまでに着られていた、中世以降の農夫の作業着だったチュニックやスモックが原型となったもので、馬や牛の放牧などの牧畜者、羊飼いなども着たと言われています。中でもMaquignonという名で呼ばれる馬の仲買人が着ていたことがよく知られています。Maquignonは元々オランダ語のmakelare(仲介や交渉)から派生した名称で、当初は馬のディーラーを指していましたが、やがて馬主や飼育業者までを指す言葉となっていったようです。

 

 

 

 

 

 

フランスはリネンの原料のフラックスの一大生産地で、自身の上質なフレンチリネンのブランドを誇るとともに、今なお世界のリネン原料のフラックス(亜麻)生産の70%以上を生み出し続ける昔からのリネン大国です。しかしそのフランスも今では、原料栽培以外の工程(特に潤紡よる紡糸はほとんど中国)は国外で行われる事が殆どで、この生地が作られた頃のように、純粋なフレンチリネン生地が手に入る事は少なくなってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本のタデ藍やインドのインド藍といったインディゴ色素を持った植物で世界各地で自然発生的に行われた藍染は、ヨーロッパではウォードという植物による藍染が6世紀頃から盛んに行われ、フランス南部、地中海沿岸のランドック地方やドイツのチューリンゲンはウォード栽培による藍玉の生産地の中心として交易で栄えました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Isatis tinctoriのインディゴ含有量はIndigofera suffruticoに比べると低いうえに成分抽出にも手間がかかり、15世紀以降のインド航路の発見と発達により流入したインド藍に18世紀までには置き換えられ、絶えてしまいました。その後藍染めの技術の革新である合成インディゴが1897年発明され急速に普及、1910年代にはほぼすべての藍染は合成インディゴで行われるようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細番手のリネン糸で、高密度に織り上げた目の詰まった生地は、フランスならではの仕事着に使うのがもったいないほどの贅沢なリネン生地です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全体に散らばる経てきた時間を映す細かなダメージを、丹念に埋めて飾った小さくて粋なデザインを、モダンな感性で楽しんで頂きたいと私達は考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麻は使えば使い込むほど柔かさ、光沢感が増すと言われます。オールドリネンがもてはやされる事が示すように、リネンは着込まれた後が最も美しいのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機械技術が整備されだした頃とはいえ、まだまだ職人の勘や経験に則って麻を処理し、糸を紡ぎ、織り上げた時代のものとは思えないほど細くしなやかな糸で稠密に織り上げられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的に麻の生地としてイメージされる生地とは異なる、ドライでペーパーライクな張りのある手触りのリネン生地。とろみ感や弾力感とは全く違ったリネン大国フランスの長い麻の歴史が育んだもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダメージを補修して飾るきりはぎ、パッチ、ダーニング、刺子のステッチを、一針ずつ丹念に、様々な方法で彩りました。色むら、擦り切れ、破れ、陽灼け、退色の痕。偶然と時間と人の手が紡ぎ出すアートです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高めのゴージ、丸みを加えたヘムのゆるやかなシルエット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ランダムにチョイスした、バッファローホーンボタンとフランスの納屋から出てきた古布で包んだ包みボタンのちからボタン。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手仕事だからこその変則仕様のベントや切羽は、手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。

 

 

 

 

 

 

綿素材を輸入に頼るのに比して自国での栽培が盛んで入手が容易で身近なフランスのリネンですが、しっかり着込まれた年月の経過を映す様々な質感と色合いが入り混じる深い趣を持つ生地は、枯れた風合いがさらに味わいを高めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハンドステッチでのラスティックコットンのライニング。手の温もりではなくストイックさを伝える不揃いなステッチ、縫い皺の表情や生地のコントラストが乾いた奥行きを作り出します。

 

 

 

 

 

 

着込まれ、働くことを経た事で得た生地の彩りは、決して加工では再現することのできない、創造性を持っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイズ 2(M相当)

肩幅 =43cm 

バスト=50cm(脇下)

袖丈 =60 cm 

着丈 =66cm

フランス/日本製

フロントファブリック  French Vintage Indigo Linen  / Linen 100%   

バックファブリック   Indian Rustic Cotton Broad Cloth  / Cotton 100%

ボタン           Buffalo Horn Buttons ( Random Choice )

                                    & Antique Fabric Covered Buttons  

 

 

 

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French 1940’s Vintage Indigo Dyed Linen Made Jacket

[STANDARD By Manure of Drawers]  SOLD