1910-1920 Antique French Linen Chore Work Worker Paysan Jacket
20世紀初頭のEcruの色のフレンチアンティークのリネンジャケット。ベージュ,オフホワイト,明るい黄褐色とグレーの入り混じった重層的な色合いが風化した一着です。
もともと未漂白の麻(フラックス)の色を表すフランス語のEcruを、明治以降に日本語で表現するために作られた訳語だった生成りという色名。未漂白の麻繊維の色から麻が身近な綿に置き換えられて、生成りと聞いて日本人に浮かぶのは白に近い淡い色だが、この色が本来の生成り色。
ざっくり織られた生地の適度なボリュームと、まだまだ素朴さの残る糸の風合いが味のある100年前のリネン。季節のお洒落着や上質な生活のしるしではなく、日々の仕事にも暮らしにもいつも纏う生活着としてのリネン。
毎日袖を通し、汚れれば洗い、擦り切れには布を充て糸を刺し、穴が開いたら布を繼ぐ。すっかりくたびれて、色あせ、年月が染み込んだ風格は、長い時間のみが作り出せるもの。
フランスはリネンの原料のフラックスの一大生産地で、自身の上質なフレンチリネンのブランドを誇るとともに、今なお世界のリネン原料のフラックス(亜麻)生産の70%以上を生み出し続ける昔からのリネン大国です。しかしそのフランスも今では、原料栽培以外の工程(特に潤紡よる紡糸はほとんど中国)は国外で行われる事が殆どで、この生地が作られた頃のように、純粋なフレンチリネン生地が手に入る事は少なくなってしまいました。
全体に散らばる経てきた時間を映す細かなダメージを、丹念に埋めて飾った小さくて粋なデザインを、モダンな感性で楽しんで頂きたいと私達は考えます。
麻は使えば使い込むほど柔かさ、光沢感が増すと言われます。オールドリネンがもてはやされる事が示すように、リネンは使いこまれた後が最も美しいのです。
機械技術がまだまだ発達しきっていない時代の、手や人の勘が多くを担う手法で麻を処理し、糸を紡ぎ、織り上げた味のあるリネン。
ダメージを補修して飾るきりはぎ、パッチ、ダーニング、刺子のステッチを、一針ずつ丹念に、様々な方法で彩りました。色むら、擦り切れ、破れ、陽灼け、退色の痕。偶然と時間と人の手が紡ぎ出すアートです。
ランダムにチョイスした、フランスのヴィンテージやアンティークのガラスボタンと、フランスの納屋から出てきた古布で包んだ包みボタン。
手仕事だからこその変則仕様のベントや切羽は、手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。
綿素材を輸入に頼るのに比して自国での栽培が盛んで入手が容易で身近なフランスのリネンですが、しっかり着込まれた年月の経過を映す様々な質感と色合いが入り混じる深い趣を持つ生地は、枯れた風合いがさらに味わいを高めています。
裏地を付けて手ですくって中縫いをした緩やかな顔つきのポケット。
ハンドステッチでのラスティックコットンのライニング。手の温もりではなくストイックさを伝える不揃いなステッチ、縫い皺の表情や生地のコントラストが乾いた奥行きを作り出します。
手縫いならではの不揃いが作る趣。
「古くて新しく、新しいけど古い」もの。
サイズ 2(M~)
肩幅 =45cm
バスト=51cm(脇下)
袖丈 =59 cm
着丈 =73cm
フランス/日本製
Front Fabric = Antique French Linen / Linen 100%
Back Fabric = Indian Rustic Cotton Broad Cloth / Cotton 100%
Buttons = Vintage French Glass Button (Random Choice)
& Antique Fabric Covered Buttons
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1910-1920 Antique French Linen Chore Work Worker Paysan Jacket
[ALTERATION By Manure of Drawers] SOLD