Indigo Dyed French Linen Over Shirt

羽織ってもボタンをとめてもさまになる、少しルーズなリネンのギャザーシャツです。長めのハーフスリーブとドローコードの潜む裾。コードを絞って遊んだり、袖の長さで遊んだり。アウターの顔を併せ持つ、着る人のアレンジ次第のさじ加減が見せ所の1着です。

私たちのStandardはいつも、ひねりとへそ曲がりの入ったベーシック。このシャツのベースも、ミシンのステッチを極力表に出さない仕様。

ミシンステッチが出ているのは右身頃の前立てと裾のみで、台襟の付け根も押さえのステッチは行わずに手でまつっています。

台襟、上前立、袖口の裏はインディゴ染めのコード糸のハンドステッチ。表にポツポツと頭だけをのぞかせる、表情豊かな小さなステッチ。

普通シャツには使わない、少し大きめのサイズの中縫い仕様のポケット。緩やかな膨らみは、普通の仕様では作り出せない無いもの。、ポケット口はインディゴ染めのコード糸のハンドステッチ。ポケット上部は手で縫い付けています。

ステッチの無いリラックスした柔らかな表情のラウンドカラー。

風をはらむたっぷりと分量のある背中。ギャザー仕様でも甘い印象は無くドライで、手縫いを多用しても、素朴でも温かでも無いストイックな顔つき。

ドローコードを絞ればよりアウター感が増し、着る人次第の遊びにあふれたシルエット。

生地は、フランスで栽培されたフラックスを日本で紡績して糸にして、日本で織り上げて日本でインディゴに染めたもの。国ごとの分業が発達したリネン製造の、最良の組み合わせの一つが生んだ上質さ。

分業化が国をまたぐ形でどんどん進み、原料栽培、紡績、製織が多くの国に別れる複雑な生産工程で作り出されるリネン生地。この生地はフレンチリネンを原材料にした、made in japan。どちらを名乗るべきなのか？

リネン原料の亜麻は繊維用に栽培されるものの10倍近い量が、印刷インクやペンキに使用される亜麻仁油(リンシードオイル)のために栽培されていて、その亜麻仁(オイル原料の亜麻の種子)のための栽培はカザフスタンやロシア、カナダで盛んに行われています。フランスは亜麻全体の生産量で見ると世界で5位ですが、ほとんどが繊維用の栽培であり、リネン原料のフラックス産出だけを見ると、今も全世界の75％以上を占めています。