新しいけど古いもの

新しいけど古いもの

Vintage Over Dyed Woad Indigo Linen Patched French Work Jacket

Vintage Over Dyed Woad Indigo Linen  Patched French Work Jacket

1940-1950 Vintage Old Over Dyed Woad Indigo Linen  Lot’s of Patched French Work Jacket

 

 

フランスのワークウェアは、テーラーワークを基本としたパターンメイクと縫製を基本とし、「 ファッション 」と対極の位置にあるはずの「労働着」を超えた存在です。1950年代のフランスのワークジャケットをAlterationした1着です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1940-1950年頃に世紀中期にフランスで作られたWoadで後染めされたリネンのワークジャケット。ネップ感に溢れたリネン糸を、おそらく手織りで織り上げたラスティックな生地は、素朴な風合いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藍染めは、植物に含まれる藍の色素( インディゴ) を抽出し、糸や布地などに酸化反応で発色させ定着させることで、地域ごとの気候風土や文化に根ざし、古くから世界各地で行われてきました。藍染めを可能にする植物は、世界中に存在していて、日本ではタデ藍、インドではインド藍がよく知られています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヨーロッパでのインディゴ染色は、16世紀頃まではウォード(Woad=あぶらな科の細葉大青)という植物による独自の藍染め方法で行われ、10世紀頃にその方法が確立されたと言われています。ていました。最盛期にはフランス・ラングドックやドイツ・エアフルトは藍の交易で大いに栄え、ラングドック地方の中でもトゥールーズはこの中心地として、今も窓枠やドアなどがWoad藍で青く染められた建物が多く残っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Woadから抽出された青の染料は南仏の言語のオック語では[PASTEL]と呼ばれ、10世紀から16世紀には唯一の青色染料として重宝されました。この青は絵画に残る聖母マリアやフランス国王が纏う衣服の色も、従来の赤色から青色に代えるなど、フランス人の色に対する概念に大きな変化をもたらしました。ナポレオン軍の兵士の制服やフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」や「牛乳を注ぐ女」のモチーフとなったモデルが着ていた衣装の青もWoadで染められたものと考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

PASTEL染料(=Woad藍)は希少価値の高い染料で、他の植物染料と異なり、薬剤を一切使用せずに化学染料と同等の堅牢度を保つことができるほか、染料にバクテリアが生息しているため経年劣化しにくく、100年経っても美しさが色褪せないと言われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように優れた性質を持つWoadでしたが、欠点としてはインディゴの含有量がインド藍に比べると少なく、さらに染料の製造工程が複雑なことなどから高価な染料でした。15世紀にバスコ・ダ・ガマがインド航路を開拓し、インドから綿に並んでインド藍が輸入されるようになると、値段や染色性、発色の良さからWoadは衰退し、さらに20世紀初頭の化学的に製造された合成インディゴの開発によって激減してしまいました。今では限られた人たちへ向けた嗜好品として、小規模で特殊なマーケットが残るのみとなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合成インディゴ染料やインド藍と違って堅牢度の高いWoad藍の色褪せない青。インディゴの含有量が少なく、他のインディゴ染料のように深く濃く染めることはできないのですが、染め上げられた色の退色や色落ちの少なさは、それを十分補って余りある存在感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Woad染めのインディゴ特有のクリアで澄んだ青の発色が美しい生地。今見られる合成インディゴ染料やインド藍の色味と比べて赤みが少なく、濁りの無い、まさに「青」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大小様々なダメージに飾られたジャケットの、ダメージに上から生地をのせてpatchするのではなく、象嵌細工のように生地をくり抜きながらモザイク状に生地をpatchしていくフランス独特のpatch work=travail de patchで描き出した象嵌模様。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

派手なステッチワークや生地のコントラストや色の遊びと言った手の温かさを主張するのではなく、静かに主張するPatch。手仕事の温っぽさを打ち消したミニマルな顔立ちが古いけれども新しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸いフォルムと膨らみが味のある内ポケット。リバーシブルではありませんが、裏返しても違和感のない顔つき。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作業着でありながらテーラーリングをベースにした腕に沿うゆるやかな曲線を描く袖。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裏をつけて2重にしたうえで、内側を手で掬い縫いして身頃に縫い付ける事で、丸みとふくよかな質感のあるフォルムにしたポケット。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウンドしたパターンの襟周りの表情は、古いフランスのヴィンテージならではの独特の雰囲気が漂います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チョイスしたボタンはワークジャケットの定義にこだわらず、 vintageの動物のモチーフが浮き彫りで象られた金属のボタン。Vintageボタンの中でも特に人気が高く、1つがビッグマック2個分ぐらいが相場のフランスのハンティングジャケットに使われていたボタン。あえて様々な素材と、いろんな動物のモチーフをランダムに選んで縫い付けています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し塗装が剥がれたり、サビがあったり、色がくすんだりするボタンには、長い時間の痕跡が刻み込まれています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 ファッション 」 と対極の位置にあるはずの「労働着」を超えた昔のフランスのワークウェアだからこそ作り出せた、古いだけ、新しいだけでは、出来ないことができる服

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイズ 2(M相当 )

肩幅 =45cm 

バスト=53cm(脇下)

袖丈 =58 cm 

着丈 =67cm

フランス/日本製

表地   = Over Dyed Woad Linen / Linen 100%

ライナー = Indian Rustic Cotton Broad Cloth / Cotton 100%

ボタン  = Vintage Animal Relief Button (Random Choice)

                     & Antique Fabric Covered Button

 

 

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1940-1950 Vintage Old Over Dyed Woad Indigo Linen Lot’s of Patched French Work Jacket

[ALTERATION By Manure of Drawers]  SOLD