1940’s Vintage Lot of Darned and Patched Old French Tweed Herringbone Jacket
オールドウールを手織りした、ふくよかな表情の自然で素朴な風合いながらも、コンパクトなフォルムと現代的なバランスを持った80年前のジャケットです。
毛足の長い羊毛を梳き集めて撚られた、しなやかでやわらかな梳毛(ウーステッド)と対極的な風合いが持ち味の、粗雑で短い羊毛繊維を主体とした紡毛(ウールン)で作られるツイード。
水や風を跳ね除けるしっかりとした手触りが特徴的な英国の質実剛健なツイードに比べ、柔らかくふわりとした風合いのツイード。
一見ブラウンに見える生地は、マルーンとミックスグレーとナチュラルといった、フランスならではの粋な色の組み合わせが織りなすHerring bone。
織られた生地に残っていた原毛に含まれる油分が、時間の経過と共に抜け変化した少しパサついた触感は、ヴィンテージのツイードだけが持ち、時間を経なければ手に入らない物。
全体に散りばめられた擦り切れや破れなど多くのダメージを示す持ち主の愛着と愛用の印。
110箇所以上のダメージに施したPatchとDarning、French patchによる魅せる補修。
ダメージのそれぞれに丹念に針を入れながら、永遠に終わらないかに思えるほどゾクゾクする長い時間の果てに辿り着いたもの。
紙の上に描いたり、コンピューターの画面の中からは、決して生まれる事のないリアルな時間と偶然と手のみが作り出せたもの。
ウエストにゆるやかなシェイプを効かせた、スマートでコンパクトなフィット感は貴重です。丸みを帯びたシェイプに変更したヘムのラインはクラシックな表情を醸します。
えり裏はインディアインク染めのアンティークリネンに取り替え。
全て新たに作り替えたポケットの袋布は、長年溜まってこびり付いていたた正体不明の埃を除き、アクセントを与えます。
前身頃のヘムに丸みを加え、肩のフォルムを調整し、コバのステッチを全て解いて、ヘムにふくよかな柔らかさを持たせています。
ラスティックコットンのライナーを全て手でまつり付けて、空気を含むふくよかな表情にALTERATION。
手仕事だからこその変則仕様のベントや切羽は、手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。袖は幅を調整するとともにに切羽を作り、着こなしの変化の楽しさが何倍にも広がる表情を加えました。
元からあったボタンホールも糸を解き、全てリネンコードでかがり直したハンドホールです。
バッファローホーンとvintageのcorozoボタンからランダムに選んだボタン。
キュプラのライニングと取り替えた、ラスティックなコットンブロードは、適度な張りとシワ感が有り、インドで織られた素朴な糸の表情が魅力です。手でまつりつけたライナーの生地感と色のコントラストと清潔感。柔らかな縫い皺は、手仕事ゆえのふくよかさ。
裏地を縫い付けてから洗って縮ませる事で生まれる計算外の「しわ」と「たるみ」と「つり」が作り出す崩したフォルム。
このような貴重なヴィンテージに出会い、サイズが合っても、そのままでは大きな肩パッドがついていたり、芯がカッチリしすぎていたり、袖が太すぎたり着丈が長すぎたりと、今に合う気分は難しいもの。
現代では再現不可能なものを、ただ「希少で貴重で古いもの」という魅力以外に、古いけれども古びない1着へ。
サイズ 1(S~小さめM)
肩幅 =43cm
バスト=49cm(脇下)
袖丈 =61 cm
着丈 =72cm
France/日本製
Front Fabric = Hand Woven Old French Herringbone Tweed / Wool100%
Back Fabric = Indian Rustic Cotton Broad / Cotton100%
Buttons = Buffalo Horn Button & vintage corozo button(Random choice)
& Antique Fabric Covered Button
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1940’s Vintage Lot of Darned and Patched Old French Tweed Herringbone Jacket
ALTERATION By Manure of Drawers SOLD