Linen Chambray Over Shirt
羽織ってもボタンをとめてもさまになる、少しルーズなリネンのギャザーシャツです。長めのハーフスリーブとドローコードの潜む裾。コードを絞って遊んだり、袖の長さで遊んだり。アウターの顔を併せ持つ、着る人のアレンジ次第のさじ加減が見せ所の1着です。
私たちのStandardはいつも、ひねりとへそ曲がりの入ったベーシック。このシャツのベースも、ミシンのステッチを極力表に出さない仕様。
ミシンステッチが出ているのは右身頃の前立てと裾のみで、台襟の付け根も押さえのステッチは行わずに手でまつっています。
台襟、上前立、袖口の裏はミックスグレーのフレンチリネン糸のハンドステッチ。表にポツポツと頭だけをのぞかせる、表情豊かな小さなステッチ。
普通シャツには使わない中縫い仕様のポケット。緩やかな膨らみは、普通の仕様では作り出せない無いもの。少し大きめのサイズで、ポケット口はリネン糸のハンドステッチ、手縫いでとめ付けています。
ステッチの無いリラックスした柔らかな表情のラウンドカラー。
風をはらむたっぷりと分量のある背中。
ドローコードを絞ればよりアウター感が増し、着る人次第の遊びにあふれたシルエット。
フランスで栽培されたフラックスをポーランドで精製、紡績し、その糸をリトアニアで織り上げた生地はドイツの会社のオーダーで作られたもの。
分業化が国をまたぐ形でどんどん進み、原料栽培、紡績、製織が多くの国に別れる複雑な生産工程で作り出されるリネン生地。製品段階ではリトアニアリネンということになるのですが、原材料はフレンチリネン。どちらを名乗るべきなのか?
リネン原料の亜麻は繊維用に栽培されるものの10倍近い量が、印刷インクやペンキに使用される亜麻仁油(リンシードオイル)のために栽培されていて、その亜麻仁(オイル原料の亜麻の種子)のための栽培はカザフスタンやロシア、カナダで盛んに行われています。フランスは亜麻全体の生産量で見ると世界で5位ですが、ほとんどが繊維用の栽培であり、リネン原料のフラックス産出では今も全世界の75%以上を占めています。
インディゴのようなカラーのブルーの経糸にオフホワイトの緯糸で織ったリネンシャンブレー。少しネップの残る糸と緩やかな織り調子の素朴な表情。
「麻」のひとつの典型がイメージを形になったような、張りとシャリ感のあるドライな手触り。
肩も脇も袋縫い。ステッチを表に出さない為の少し面倒な工夫です。
ボタンはランダムにチョイスしたフレンチヴィンテージのガラスボタンです。有名なチェコやベネツィアの物のように凝ったデザインや、カラフルな色使いの装飾的で高価な物だけではなく、庶民や労働者にむけた実質的なシンプルな形がたくさん作られて浸透していたフランス特有のもの。
白濁したミルク色のヴィンテージのガラスボタンは、プラスティックがまだなかった頃に、骨や角、貝や金属よりもずっと安価で大量生産ができた、フランスならではのものでした。少し大きなサイズを、ランダムに並べた不揃いな色と形もアクセント。
今もこれからも新しく古びない、洗い晒しがつくるしわ。ただ、きれいなだけじゃなく、ラフなだけでもない。
言葉にできない味のあるもの、それがMANURE OF DRAWERSの考えるSTANDARDのカタチです。
サイズ2 (ワンサイズフリー)
肩幅 43cm
ネック 42cm
バスト 56cm
袖丈 37cm (1ロールアップすると32cm)
着丈 76cm
日本製
表地 =フレンチリネンシャンブレー/麻100%
コード = コットン/リネンコード
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[STANDARD By Manure of Drawers] SOLD