新しいけど古いもの

新しいけど古いもの

Vintage “DALMAHOY” Club Blazer Jacket by“STEWART CHRISTIE & Co.”

Vintage  “DALMAHOY” Club Blazer Jacket by“STEWART CHRISTIE & Co.”

1930-1940 Vintage Wool Flannel “DALMAHOY” Club Blazer Jacket Tailor-made by“STEWART CHRISTIE & Co.” Edinburgh

 

 

 

日本ではブレザーと言う名前は、IVYファッションの象徴として刷り込まれています。アメリカがルーツでネイビーカラーでウールのフラノでナチュラルショルダーでセンターフックドベントっていうブルックスブラザーズの物がステレオタイプとして思い浮かび、真面目そうな学生や若者が着る服という印象が強いのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Blazer」の語源は1830年頃のケンブリッジ大学のボート部のユニフォーム(シングルブレストの真っ赤な物)という説と、同じ頃の英国軍艦ブレザー号のユニフォーム(こちらはネイビーのダブルブレスト)という説がありますが、何れにせよルーツは英国という事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

英国では、テーラードデザインのスポーツ・ジャケットもブレザーと呼びますので、Paul Harndenのリネン/ウールのツイードの物も、HOWARD HARDYの高級な生地をサビルロウのHENRY POOLEで仕立てたビスポークも、Vivienne Westwoodのラペルがハートになったものも〝Blazer〟なのは、日本人にはちょっと違和感のあるところ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな英国の数多あるブレザーの中の、80年ほど前に仕立てられた一着です。このブレザーは1927年に開設された英国スコットランドの“DALMAHOY”GOLF CLUBのClub Blazerです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このブレザーは300年の歴史を持つStewart Christie&Co.の職人によって仕立てられたものです。Stewart Christie&Co.は英国屈指の歴史を持つテイラーで、1720年に創業し、スコットランドで最も古いオーダーメイドのテイラーであり、エジンバラで2番目に古い企業として、今も地域一番店としての業容を誇る老舗です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

生地は軽めのメルトンといっても良さそうな、肉厚で打ち込みのしっかりしたウールフランネル。コンパクトでバランスの良いフォルムは、カスタムメイドならではのもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このジャケットが仕立てられた1930年代には、すでに英国には日本とは比較にならない数のゴルフ場が存在しました。とはいえ、この頃はまだクラブは職人による手作りのとても高価なものですし、ボールも1球で3-4,000円という時代。したがってまだまだこの頃はゴルフは庶民が気軽に楽しめるようなものではありません。特に階級社会の英国ではその門戸が開かれていたのは、一部の貴族階級や社会の成功者などの裕福な人達だけでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さらにその中でも選ばれた少数の人々にしか入会を許されないクラブ。手にいれる(仕立てる)事自体が様々な持ち主の姿を語る、こうのようなクラブブレザーはその人の誇りと思い出の象徴です。オーナーの存命中は現役の勝負服であり、死後も思い出とともに箪笥やクローゼットで保管され、捨てられたり、ましてや古着商に売り渡す事など考えられないというものだったのだと思います。

 

 

 

 

 

 

袖口辺りに見られた、元のオーナの愛着、愛用の証のダメージにはパッチを細やかなステッチでかがり、擦り切れにはダーニング。

 

 

 

 

 

 

開きを作ったことで必要になった手かがりのボタンホール。オリジナルのボタンも幾つか残っていましたが、このブレザーは仕立て主のこだわりだったのか、カレッジブレザーに良く見られるメタルボタンではなく、ホーンボタンが使われていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元々の3つのポケットは、端を抑えステッチで叩きつけた平面的なパッチポケット。ウエストポケットにもフラップはありませんでした。すべて一度解体し、ダメージに手を入れ、裏をつけて袋状に縫い合わせ、フォルムも丸みのある形に変更して立体感を加えて手で縫い付けて、新たにフラップを作りました。

 

 

 

 

 

 

筒そでの袖口に、手仕事ならではの変形の本切羽を作り開きのある形に変えたカフス。元は袖丈の調整用の遊びや余りが全く無い仕立てなので、額縁など作り得ず、ギリギリをやりくりしながらの作りです。でも、こうすることで得られる袖口の表情の豊かさは、着こなす上での楽しさを倍増させてくれるはず。

 

 

 

 

 

 

タフな着用感がこのブレザーがこの1着への愛情を物語ります。上襟や袖、ヘムなどのダメージへ施したdarningが、この頃の暮らしを飾ります。

 

 

 

 

 

 

ネイビーの色合いが深く風合い豊かなウールフランネル。ヘムをラウンドさせ、襟周りを含めたコバのステッチを解いて取り除いてふくらみをもたせたフォルムは、クラシックかつモダンなスタイルを作り出します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベントの無かったボディに作ったサイドベンツは、カジュアルなアイテムに深みと上質さを加えます。手仕事だからこその変形のスリットは手縫い皺も美しい柔らかな仕様です。

 

 

 

 

 

 

キュプラの古い裏地を外し、内側に溜まった埃を取り除き、手でまつりつけたライナーの生地と色のコントラストや手縫いの縫い皺の作るふくよかな皺が、古着にまとわりつく不潔感を消し去り、さらに古着につきまとう重い印象を払拭し、現代的な印象へと変化させる要素です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラスティックなコットンブロードは、適度な張りとシワ感が有り、インドで織られた素朴な糸の表情が魅力です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エンブレムも色が褪めて歪み、浮き上がったモールや、少し陽に焼けた基布など、経てきた年月による風化が、本当に趣深く得難い風合いを醸しています。

 

 

 

 

 

 

まさに貴重な1着を、ただ「希少で貴重で古いもの」という点だけが魅力の1着という事で終わらせるのでは無く、ヴィンテージの持つ趣を、現代的な着装や感覚と融合させ「古くて新しく、新しいけど古い」ものとして昇華させた1着です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サイズ 1(S)

肩幅 =41cm 

バスト=45cm(脇下)

袖丈 =58 cm 

着丈 =70cm

英国/日本製

 

Front Fabric = Wool Flannel / Wool 100% 

Back Fabric = Indian Rustic Cotton Broad Cloth / Cotton 100%

Buttons = Buffalo Horn Button(Random Choice)

                            & Antique Fabric Covered Button

 

 

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1930-1940 Vintage Wool Flannel “DALMAHOY” Club Blazer Jacket Tailor-made by“STEWART CHRISTIE & Co.” Edinburgh

[ALTERATION By Manure of Drawers]  ON SALE