1930’s Vintage ALTERATION French Old Gray Wool Stripe Gilet
柔らかなトーンのストライプのミディアムグレーのウールジレ。フランスではジレ(Gilet)、イギリスではウエストコート(Westcoat)と呼ばれますが、日本でポピュラーなアメリカ呼称のヴェスト(Vest)は、イギリスではタンクトップの意味だったり、フランスでは上着全般を意味したりするのが日本人には難しいところ。
シャツとパンツのプレーンなスタイルにニュアンスを加え、ジャケットの着こなしをランクアップさせたりと、あれば便利なジレ。ジレは、もともとこの上に上着を着ることを前提に作られた物で、開けた上着の中を飾るための、装飾的な役割だけのものだったようです。
その為、見える部分の前身頃の素材には凝っていても、上着を着れば見えない前身頃以外の部分は、裏地などの簡素な素材が使われることが殆どで、手抜きというのか、節約というのか。合理的と言おうと思えば言えるような割り切り方がさすがです。
ニットの物があったり、背身頃も前身頃と同じ素材で、そのまま外衣として着られる物もあるヴェストとの違いはそのあたりにあるのだという説もあります。
フォーマルなシーンや着こなしを想定して作られてきたジレは直線的で鋭角な剣先型の前裾のフォルムが、エレガントさやクラシックさを感じさせ、少し堅苦しいイメージに偏りがち。その前裾を丸みを持ったゆるやかな形に変更することで着こなしの幅を広げ、抜け感のあるふくよかな印象に。
背身頃は19世紀末頃にフランスで手織されたアンティークのベッドリネンをindia ink で染めたもの。冷めた色合いと枯れた風合いが趣深い背中です。
数を多めに配置したボタンはグレーの濃淡の色合いがモダンな味のある1950年代のフランスのデッドストック。
身頃裏にはラスティックなコットンを手でまつり付け、手縫ならではの縫い皺のふくよかな表情を作り、洗いによる縮絨が作るしわやたるみの味が加わります。
前身頃と背身頃をつなぐ脇も肩もすべて手縫いです。だからこそ生まれるふくよかな皺、手じゃなければ出来ない事、手だからこそ出来るものの姿です。
80年以上の時を経たことで全体に纏った、意図して人工的には作り得ない年月を示す年輪をモダンな感性で楽しんでいただきたいと思います。
ただ「希少で貴重で古いもの」という点だけが魅力の1着という事で終わらせるのでは無く、ヴィンテージの持つ深みを、現代的な着装や感覚と融合させ昇華した「古くて新しく、新しいけど古い」を楽しんでいただければと思います。
サイズ 2(M 相当 )
肩幅 = 35cm
バスト= 49cm(脇下)
前着丈= 63cm
後着丈= 63cm
フランス/日本製
Front Body Fabric= Wool Saxony Stripe / Wool 100%
Back Body Fabric = French Antique Bed Linen(India Ink Dyed) / Line100%
Lining = Indian Rustic Cotton Broad Cloth / Cotton100%
Button =1950-1960 Dead Stock French Resin Button
& Antique Fabric Covered Button
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1930’s Vintage ALTERATION French Old Gray Wool Stripe Gilet
[ALTERATION By Manure Of Drawers] SOLD