1930-1940 Vintage ALTERATION French Wool Serge Gilet
シャツやTシャツとパンツのプレーンなスタイルにニュアンスが加わったり、ジャケットの着こなしをランクアップさせたりと、ジレはあれば便利な1枚です。
もともとフォーマルやお堅いシーンを想定して作られたジレの、鋭角の剣先型の前裾からはエレガントなイメージが漂います。この前裾を丸みのあるゆるやかな形に変更するだけで、着こなしの幅が広がる柔らかな表情が加わります。
防寒のためのニットやダウンのもの、機能や収納のためのミリタリーやアウトドア用など、袖なしの上着として作り出されたVestと違って、上着を着た胸元を飾るために作られたGilletは、1枚でアウターとして着ることは前提にありませんでした。だから見える前部分の生地には凝っても、上着を着れば見えない背は、裏地用の生地だったり上着との滑りの良さだけを考えたキュプラだったり。
ALTERATIONをするにあたって、凝った生地を背に使う事は出来ますが、前身頃のブラックのウールサージには、人工的には作り得ない時間の風合いが積み重なった魅力がすでに沢山詰まっています。
その良さを損なわず引き立てるために、私達が選ぶスタイルは引き算の生地。
背身頃の表はベンタイル。あえて未晒しの生機を取り寄せて、その都度洗って使う適度な張り感と皺を残す味。
裏地も同じく未晒しの生機のラスティックなコットンで、縮率差や素材感の異なる組み合わせ、あえて弛ませ、皺、歪みを作り、フォルムを崩したりするのがスタイルです。
作り変えた袋布の生成りが覗くポケット口のコントラストも新鮮なアクセント。
ダメージの補修を兼ねたアクセントの古布のパッチは名脇役。
端部をカッチリと固めていたコバの押えステッチを丁寧に解いて、膨らみ皺ぶく緩やかな表情を。
前身頃と背身頃をつなぐ脇も肩も脇裾のスリットにある、かんどめもすべて手縫いです。
だからこそ生まれるふくよかな皺、手じゃなければ出来ない事、手だからこそ出来るものの姿です。
ランダムに選んだデッドストックのバッファローのボタン。裏につけたちからボタンは、フランスの納屋から出てきた古布で包んだ包みボタンです。
ヴィンテージが長い時間を経てきた事で得た変化には、意図して人工的には作り出す事の叶わない魅力が詰まっています。でもその変化は、古さ故の汚れや退色、擦り切れによる不潔感と表裏一体のものでもあり、暗く重い印象を伴いがちなもの。
そうした要素を取り除き、滲み出す存在感とその成り立ちを尊重した上で、 作り変える(ReBuild)のでは無く 直す(ReMake)だけでも無い、ALTERATION(改変、改新)が作り出す「古いけれども古びれない」もの。
サイズ 2(M ~ L相当 )
肩幅 = 36cm
バスト= 49cm(脇下)
前着丈= 62cm
後着丈= 49cm
フランス/日本製
表地 =ウールサージ ウール
背身頃 =ベンタイルコットン コットン100%
裏地 =ラスティックコットン コットン100%
ボタン =バッファローホーンボタン(デッドストック・ランダムチョイス)
アンティークファブリックの包みボタン
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1930-1940 Vintage ALTERATION French Serge Gilet
[ALTERATION By Manure Of Drawers] SOLD