新しいけど古いもの

新しいけど古いもの

1960’ Vintage Metropolitan Police Riding Mac Coat

1960’ Vintage Metropolitan Police Riding Mac Coat

 

 

1960’ Vintage ALTERATION Metropolitan Police Riding Macintosh Coat

 

 

暮らしに余裕のある豊かな客層の雨を避けるアウターとして

発売されたマッキントッシュですが、当時すでに幅広く浸透していた

ワックスコットンに比べて、高価なことや取り扱いの難しさなどから

一般顧客への広がりは限られ、最大の顧客は軍や警察などの官憲と、

British Railwaysなどの公的な機関でした。

その官憲の代表的なものである、ロンドン警視庁(Metropolitan Police Service, MPS)

ライディングコートの1960年代からの一着です。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b98

 

 

 

ナイロンを表地にしてボンディングされた生地は珍しく、

マッキントッシュの生地としては軽く、同時代の表裏コットンの

BRの支給品と比べると厚みも固さも全く違います。

当時、急速に普及してきたとはいえ、まだまだ一般衣料用の素材としては

開発段階であり、消費者の馴染みが薄いナイロンを使った

マッキントッシュクロスはかなり実験的な意味合いの強いもので、

国などの公的機関からの要請や、そういった大口顧客との

共同開発でなければ作り出せなかったものだと思います。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b91

 

 

 

綿のマッキントッシュクロス製のフロントダブルでウエストベルトの

ものが一般的なメトロポリタンポリスのライディングコートの

普及品ですので、この珍しい素材の一着は、

ミリタリーのライディングコートからの転用、あるいは

綿のマッキントッシュ生地の本採用のものへの移行期間の

試用品だろうと思われます。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b92

 

 

 

軍あるいは警察などの様式仕様を

表すエポーレットは取り外し可能なタイプの仕様です。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b911

 

 

 

支給品についているものならではの簡素なラベルには、

後に分離独立するまではマッキントッシュが属していた

Traditional Weatherwear Ltdの表記があります。

1822年にCharles Macintoshが2枚の布の間にゴムを挟み込んで

圧着する製法を開発し始まったマッキントシュの

初期のゴムの弾性の低さや、溶解、剥離などの不安定さを解消する

ゴムのヴァルカナイズ製法を確立したThomas Hancock

の技術をうまく受け継いだ会社の一つです。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b95

 

 

 

ライナーはマッキントッシュクロスと同じく、イギリスが生んだ

高機能素材のベンタイルです。

英国空軍のパイロットが撃墜などで冷たい海に投げ出された時にも、

水の浸入を防いで体温の低下を防止して、それとともに内部の空気を逃さず浮力を確保して、

救助を待てるようにと考えられた生地という事は、よく知られています。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b916

 

 

 

長繊維綿の双糸を経緯ともに超高密度に織り上げることで、

綿繊維の毛羽を稠密にすることによって撥水性を発揮させ、

さらに長時間水に濡れることで水が浸透しても、水分による繊維自体の膨張が

水の透過を遮断して許さないという自然素材だけで生み出された

高機能さは日本でも防衛庁の海難救助服に採用されるほどです。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b913

 

 

 

この長繊維のコットンは全世界の綿の総収穫量のうち、わずか2%しか取れません。

だからベンタイルは高価で希少で、生産できる工場も非常に限られています。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b920

 

 

 

ラバーコーティングやワックスによる防水加工と違った

内部の汗や水蒸気は外に出す防水性、透湿性、通気性の三拍子に加えて、

独特のハリ感とフラットな生地の表面感といった、生地自体のテクスチャーの良さ

という四拍子を備えた独自の位置付けを確立した生地です。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b921

 

 

 

前たてや裾など、切り放しにした端部からのぞく表地とのコントラストが

ボディ全体のルックスを引き締めます。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b919

 

 

 

ベンタイルのサイドにもベンチレーションホールを開け、

ポケット口を表地でトリムした内ポケット。

袋仕立ての内側を手で掬い縫いにして端を浮かせた、

柔らかな膨らみがユーモラスな表情です。

時にはライナー側を表にして着てみても楽しいめると思います。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b96

 

 

 

脇に開けられたベンチレーションのための5つのアイレットは、

実用性以外にも、マッキントッシュクロスで作られたものを示すアイコンとしての

格別の存在感があります。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b918

 

 

 

左胸に作ったUSELESS(役立たず)ポケットはこのコートのポイントの一つです。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b94

 

 

 

ゴムでボンディングされたマッキントッシュクロスの面白さは、

防水性や生地独特のボリューム感の他に、生地が中間のゴムでボンディング(貼り合わせ)

された状態になっていることで生地の切断部がほつれない(ほつれにくい)面白さがあります。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b917

 

 

 

このコートではこのマッキントッシュクロスの「ほつれない」特性を

活かして、裾と袖口や前端を切り放しにして、

この生地だからこそのシャープなエッジの面白さと、ボリュームと迫力のせいで

重く見えがちな印象に軽さを加えています。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b912

 

 

 

ライナーのベンタイルも裾と前端をボンディングして切り放すことで

同じ効果を持たせるとともに、袖口はラスティックな麻糸のハンドステッチのみの

ほつれていく面白さを取り入れました。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b99

 

 

 

何層にも色を塗り重ね、着込んで色が剥がれていくと

下から別の色が現れてきて、味わいが深まっていくボタンも魅力を

高める要素です。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b93

 

 

 

乗馬用にデザインされ、足を広げて馬に跨った姿勢でも

足がきつくならない、裾周りのたっぷりした分量のトラペーズライン。

単なるデザインでは無く、実用的なニーズから生まれたシルエットは

説得力のある美しさです。

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b915

 

 

 

深いバックスリットも意匠的なものでは無く、

実用性から生まれたものですが、動きや風にはためくその形は

計算されたかのような豊かな表情をこの一着に与えます。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b914

 

 

 

実用性から生まれた大きな衿は、今のものには望み得ない絶妙なバランス感。

チンストラップを止めて立てると顔が埋もれるほどの分量です。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b97

 

 

 

経てきた時間の痕跡を示していた左袖に残るダメージへの補修。

 

 

 

s_%e3%83%a1%e3%83%88%e3%83%ad%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%bf%e3%83%b3%e3%83%9d%e3%83%aa%e3%82%b910

 

 

 

そのままのヴィンテージでは作れないモダンなスタイルと

コンテンポラリーな物には無い時を経た深み。

その両方を兼ね備えた1着が、ヴィンテージにも新しい服にも、

作り出せないその人自身のスタイルを創り出します。

サイズ 2(MーL相当 )
ラグランスリーブ

裄丈(首中心から袖口まで)=85cm

(肩幅= 44cm 袖丈= 63 cm 相当)

バスト= 57cm (脇下)

着丈 = 103cm 

イギリス/日本製
フロントファブリック  コットン/ナイロン ボンディング マッキントッシュクロス    コットン/ラバー
バックファブリック   ベンタイルコットン                         コットン 100%
ボタン         ペイントボタン&古布くるみボタン 

 

 

 

STOREへのリンク

 

 

1960’ Vintage ALTERATION Metropolitan Police Riding Macintosh Coat

[ALTERATION By Manure Of Drawers] SOLD

 

 

 

 

試着や他の写真などのご要望がございましたら

お気軽にお問い合わせください。